偉人アリストテレスに学ぶ!相手のYESを引き出す3要素&5箇条

この知識はこんな人にオススメ

「古代から受け継がれてきたセールス術を学びたい人」

「お客さんの購買意欲を高めるプレゼンスキルを身につけたい人」

現代流アリストテレスの「セールス術」

アリストテレスといえば、歴史の教科書にも出てくる「万学の祖」と呼ばれる哲学者です。

古代ギリシャの時代に生きた偉人で、今から2300年以上前に活躍しました。

そんな遠い昔の時代から、現代にも受け継がれているセールス術・プレゼン方法が存在します。

アリストテレスの著書『弁論術』に登場する「人を説得する3要素」「人を説得する5箇条」この2つは、今の時代にビジネスを手掛ける私たちにとっても、非常に役立つセールスの基本になるでしょう。

今回はアリストテレスが説いた人を説得するためのテクニックを紹介していきましょう。

相手からYESを引き出すための3要素とは?

まずは人を説得する3要素についてみていきましょう。

  • エートス
  • パトス
  • ロゴス

アリストテレスが重要だと考えていたのは、当時の言葉でこの3つでした。

エートス(人柄や価値観、ストーリー)

まず「エートス」というのは、今で言う人柄やその人の価値観、これまで歩んできた人生のストーリーなどを指します。

「現代はストーリー消費の時代である」という話を聞いたことがある人も多いでしょう。

家電量販店に行けばどれも高性能な機器が並んでおり、スマホやパソコンだって安くて機能が豊富なモデルばかり。

そんな時代では、私たちは「何を買うか」よりも「誰から買うか」を重視するようになっています。

ジャパネットたかたの通販番組を思い浮かべるとよくわかると思います。

ジャパネットたかたの番組で取り上げられているのは、Amazonや家電量販店でも手に入る、ごく一般的なモデルがほとんど。

しかし、ジャパネットたかたのセールスマンが紹介することで、「ジャパネットたかたが売っているなら、買いたい!」と考えるお客さんが増えます。

私たちのビジネスでも、「他の誰でもなく、あなただから買いたい!」と言ってもらうことが、最大のセールス術なんですね。

パトス(感情的な納得)

次の「パトス」は、感情的な納得感のことを指します。

たとえば「2つ購入したら、50%オフ!」という表現よりも、「2つ購入したら、2個目は無料!」という表現を使ったほうが、売り上げは増加します。

これは、「50%オフ」という言葉よりも、「無料」という言葉のほうが、お客さんの中でより強い感情を掻き立てるからです。

他にも、人には利益よりも損失を大きく評価する性質もあります。

専門用語で「プロスペクト理論」と呼ばれる性質で、たとえば50%の確率で1000円もらえるよりも、100%の確率で500円もらえることのほうを、多くの人は好みます。

たとえ利益が小さくなろうとも、ゼロ円になる損失リスクを避けたいという感情が生まれるわけです。

このような感情的な納得感を演出できると、より高確率で商品が売れるようになるでしょう。

ロゴス(論理的な説明)

最後の「ロゴス」は、論理的な説明です。

  • この商品がどれだけ優れているのか?
  • どんな実績があるのか?
  • どういう統計が存在するのか?

など、客観的なデータを使って、論理立てて商品の良さを説明していくような感覚です。

ただし、このロゴスに関してはほかの2つよりもパワーは弱まります。

確かに論理的な説明があると納得感が生まれるのは事実ですが、人は感情で物を買い、誰から買うかをもっと重視します。

客観的なデータを集めるのも大事ですが、それよりももっと重要なことがあることも知っておきましょう。

ジョブズも人を説得する5箇条

続いて、人を説得する5箇条についても紹介していきますね。

ここで取り上げていく5箇条は、『スティーブ・ジョブズ 驚異のプレゼン』という本の中でも紹介された有名な方法です。

  1. 聞き手の注意を引くストーリーやメッセージを提出する
  2. 解決あるいは回答が必要な問題あるいは疑問を提出する
  3. 提出した問題に対する解答を提出する
  4. 提出した解答で得られるメリットを、具体的に記述する
  5. 行動を呼びかける

この5つの流れによって、相手を説得してYESを引き出そうとするのがポイント。

一つひとつみていきましょう。

聞き手の注意を引くストーリーやメッセージを提出する

最初に、相手の興味をグッと引き寄せる、インパクトのあるフレーズを使います。

シンプルかつ切れ味の鋭い言葉を使って、続きを聞いてみたいと思わせるのが目的です。

LP(ランディングページ)で言うところの、タイトルやキャッチフレーズの部分ですね。

「そんな高度なコピーライティングはできません」という方もご安心を。

お客さんの興味を引くキャッチフレーズは、Amazonで売られている本のタイトルを参考にすることで、簡単に作ることができます。

たとえばダイエットについての商品を売るなら、Amazonで「ダイエット」と書籍検索してみて、ピンとくるタイトルを10個以上メモしてみる。

そのメモの中からキーワードを組み合わせて、キャッチフレーズを作り上げていきましょう。

解決あるいは回答が必要な問題あるいは疑問を提出する

次に、お客さんが抱えているであろう悩みを提示していきます。

人は「理想の人生を歩みたい」「最悪な人生を送りたくない」という、2つのモチベーションで商品を買います。

そこで、まずは「こんな悩みを持っていませんか?」と伝え、「このままでは最悪な人生になってしまうかもしれませんよ?」と危機感を増幅してあげましょう。

提出した問題に対する解答を提出する

危機感を増幅するだけではなく、理想の人生を提示してあげることも大切です。

「この商品を使うことによって、理想の未来が手に入りますよ」ということを伝えて、悩みに対する対策・解消法・解決策を渡してあげるのです。

お客さんからすれば、悩みを解決する方法こそ一番気になっている部分。

このパートは特に丁寧に作り込み、お客さんの注意を引き付ける必要があります。

提出した解答で得られるメリットを、具体的に記述する

続いて、あなたの商品を購入することによって、どんなメリット・ベネフィットが得られるのかについて、具体的に示していきます。

たとえばダイエットについての商品なら、

  • 1ヶ月で-3kg痩せられます!
  • 無理な運動は必要なく、1日10分の散歩だけ
  • 食事制限もなし!

こういった商品の特徴を説明しましょう。

さらに、ダイエットに成功した先にあるベネフィットについても触れていきます。

  • ダイエットに成功したことで、自信にあふれた魅力的な人になります!
  • 旦那さんに女性としてみてもらえるようになります!
  • 健康状態が改善して、疲れを感じにくくなります!

こうした先の未来をイメージさせてあげるのがポイントです。

行動を呼びかける

そして最後に、お客さんの背中を押してあげるフレーズを入れましょう。

  • ダイエットは若いうちに始めるほど有利!
  • 数量限定なので売り切れる可能性もあり!
  • 今日から3日間だけ半額で提供!

こうした表現を使って行動を促してあげることで、目の前にいるお客さんを説得し、YESを引き出すことができるのです。

おわりに

アリストテレスが説いた「人を説得する3要素」も「人を説得する5箇条」も、現代のマーケティングでは基本的な知識になっています。

あらためてマーケティングの基本を復習して、売り上げアップを目指しましょう!