フリーランスにも欠かせない「社会人基礎力」とは?12スキル+3つの視点

この知識はこんな人にオススメ

「ビジネスで成果を出すための、基礎スキルを学びたい人」

「スキルアップの土台を固めたい人」

社会人基礎力とは?なぜ必要なのか

「社会人基礎力」という言葉をご存知でしょうか?

これは2006年1月に経済産業省が提唱した、「多様な人々と仕事をしていくために必要な基礎的な力」を指すものです。

文字通り、社会人として生きていくために欠かせないスキルと言い換えてもいいでしょう。

「社会人」とついてますが、何も会社員だけに求められるスキルというわけではありません。

社会人基礎力は「3つの能力」と、「12個の能力要素」、そして「3つの視点」からなるスキルですが、フリーランスや個人企業家であっても身につけておくべきなのです。

フリーランスにも社会人基礎力が欠かせない理由

2018年2月、社会人基礎力は「人生100年時代の社会人基礎力」としてアップデートされました。

「これまで以上に長くなる個人の企業・組織・社会との関わりの中で、ライフステージの各段階で活躍し続けるために求められる力」として定義され、これからの時代にマッチしたスキルが見直されることになったのです。

私たちフリーランスや個人起業家として働いている人なら、できるだけ長い期間安定して稼ぎ続けたいと考えているはず。

60歳を超えても毎月安定した収入が入ってきて、老後資金なんて気にせずに豊かな生活を送りたいですよね?

そのための土台となるのが、今回紹介していく社会人基礎力なのです。

20代〜60代まで、すべての人が見直すべき

社会人基礎力は、主に就職活動を控えた大学生向けに語られる内容ではありますが、「人生100年時代の社会人基礎力」にアップデートされたことからもわかるように、現役で働いている社会人全員が身につけておくべきスキルとなっています。

「基礎的なスキルなんて、もう身についているから大丈夫!」と安心するのではなくて、「もしかしたら自分にも足りていないスキルがあるかもしれない」というマインドセットで、社会人基礎力を鍛えてほしいと思います。

それでは具体的に、経済産業省の資料を確認しながら「社会人基礎力」の全体像をチェックしていきましょう。

3つの能力と、12の能力要素、3つの視点がある

社会人基礎力では、大枠として「3つの能力」が存在し、それぞれの能力の中に「12の能力要素」があります。

その「3つの能力」というのは、次の通り。

  1. 「前に踏み出す力」(アクション)
  2. 「考え抜く力」(シンキング)
  3. 「チームで働く力」(チームワーク)

この3つの能力と、それぞれの能力要素について確認してみましょう。

「前に踏み出す力」(アクション)

社会人基礎力の1つ目の能力は、「前に踏み出す力」です。

学校のテストや資格試験のように、1つの問題に対して1つの決まった答えがある…というのは、実社会においてはほとんど存在しません。

そんな社会の中で働く上では、失敗や挫折を繰り返しながらも、前に進み続けるスキルが不可欠になります。

ときには周囲を巻き込んで仲間と協力しながら、粘り強く最後までやり抜く力が必要とされるのです。

  • 主体性「物事に進んで取り組む力」
  • 働きかけ力「他人に働きかけ巻き込む力」
  • 実行力「目標を設定し確実に行動する力」

「考え抜く力」(シンキング)

社会人基礎力の3つ目の能力は、「考え抜く力」です。

ビジネスで成功を収める人というのは、常に問題を特定して解決し、改善を繰り返して大きな成果を手にします。

つまり、売り上げを増やすために必要なタスクを見つけて、そのタスクに全力で取り組むことができるということです。

その過程では自分の頭で考えるスキルが不可欠。

自分の弱みを分析して弱点を克服するために作戦を立てたり、売り上げが伸びない原因を特定して仕事のやり方をアップデートしたりするべきなのです。

  • 課題発見力「現状を分析し目的や課題を明らかにする力」
  • 計画力「課題の解決に向けたプロセスを明らかにし準備する力」
  • 創造力「新しい価値を生み出す力」

「チームで働く力」(チームワーク)

社会人基礎力の3つ目の能力が、「チームで働く力」です。

個人で働くことが多いフリーランスや個人起業家ですが、お金をもらって仕事をする以上、必ずお客さんやクライアントと接する機会があります。

ときには仲間と協力して1つのプロジェクトに取り組んだり、ビジネスパートナーと一緒に会社を経営したりすることもあるでしょう。

このように営業会社経営で必要になるのが、いわゆるコミュニケーション能力と呼ばれるスキルです。

社会人基礎力では、この「チームで働く力」に6つの能力要素があるとされています。

それだけチームワークの重要性が高いということなんですね。

  • 発信力「自分の意見を分かりやすく伝える力」
  • 傾聴力「相手の意見を丁寧に聴く力」
  • 柔軟性「意見の違いや立場の違いを理解する力」
  • 情況把握力「自分と周囲の人々や物事との関係性を理解する力」
  • 規律性「社会のルールや人との約束を守る力」
  • ストレスコントロール力「ストレスの発生源に対応する力」

新しく提唱された「人生100年時代の社会人基礎力」

社会人基礎力は、2018年2月にアップデートされた際に「3つの視点」という項目が追加されました。

  1. どう活躍するか(目的)
  2. どのように学ぶか(組み合わせ)
  3. 何を学ぶか(学び)

具体的には、この3つのこと。

一生勉強し続けなければならない人生100年時代だからこそ、必要になってくるのが「3つの視点」です。

何を学ぶか(学び)

この項目は、「学び続けることを学ぶこと」と定義されています。

つまり、人生100年時代では一生勉強し続けなければならない…その事実を理解することが、第一歩だということです。

自分の強みと弱みを分析し、常にスキルを磨き続けることが、これからの時代で求められる姿勢なのです。

どのように学ぶか(組み合わせ)

この項目は、「自らの視野を広げて、自己の多様な体験・経験や能力と多様な人々の得意なものを組み合わせて、目的の実現に向けて統合すること」と定義されています。

少し難しいですが、要するにいろんな知識や経験を武器にして、目標のために前に進もうということです。

これからの時代、1つの専門性だけを持っていても特別な人材にはなれません。

「SNS集客×ダイエットの専門家」のように、2つ以上のスキルを組み合わせることで、大きな売り上げにつながるのです。

どう活躍するか(目的)

この項目では、「自己実現や社会貢献に向けて行動すること」と定義されています。

あなたはもし経済的に恵まれ、人間関係も充実していたとしたら、どんな仕事をしたいでしょうか?

生活費のために働く必要がないとしたら、私たちは必ず自己実現社会貢献のための仕事を始めるはずです。

最初は誰でもお金のためにビジネスを始めるというのは普通ですが、最終的な目標としては自己実現や社会貢献というゴールを目指すべきなのです。

おわりに

社会人基礎力は、私たちがビジネスを続ける上で土台となる能力。

  1. どう活躍するか(目的)
  2. どのように学ぶか(組み合わせ)
  3. 何を学ぶか(学び)

特にこの「3つの視点」は、人生100年時代を生き抜くためには不可欠なので、今日から意識していきましょう。