目次
この知識はこんな人にオススメ
「成功者の思考術を身につけたい人」
「新たなビジネスアイデアを生み出したい人」
水平思考と垂直思考を使い分けよう

仮にあなたの手元に13個のリンゴがあるとします。
このリンゴを4人の子どもに平等に分けてあげようと考えたとき、あなたならどうしますか?
きっと多くの人は、
1人3個ずつ分けて、余った1個を4等分する
このように考えたはずです。
このように論理的に考えることを「垂直思考」と呼びます。
垂直思考の逆に当たるのが「水平思考」。
もし水平思考の持ち主がリンゴの分け方を考えた場合、リンゴジュースにして配るという答えを導き出します。
「りんごは固体のまま配らなければいけない」という無意識の前提条件で考える垂直思考とは違い、水平思考は「リンゴを液体にして配る」という、自由な発想で考えられるのが特徴です。
クリエイティブか、ロジカルか
ここでは水平思考をテーマに扱っていきますが、垂直思考にもメリットはあります。
たとえば、1つの問題に対して深くまで突き詰めていくシーンなど。
売り上げが上がっていない理由について考えるときに、「そもそも売り上げなんて必要ないのでは?」と水平思考を使ってしまうと、現実逃避にもなりかねません。
そうではなく、「売り上げが低下している要因はどこにあるのか?」「どうやったら改善できるのか?」と、垂直思考を使って分析していく必要があります。
1つのことに対して論理的に考えるのは垂直思考、さまざまなアイデアをどんどん生み出したいなら水平思考と、場面に応じて使い分けていくことで思考力を高めることができます。
水平思考(ラテラルシンキング)とは?

水平思考と垂直思考について、詳しく解説していきましょう。
まず水平思考というのは、英語では「ラテラルシンキング」とも呼ばれます。
水平思考の特徴は、視点を変えて問題解決のアイデアを考えることにあります。
常識や前提条件にとらわれることなく、自由な発想で答えを見つけていきます。
論理よりも直感を重視することから、右脳型の思考法とも呼ばれます。
T字の横向きに考えるイメージ
「水平」という言葉が示すように、水平思考は横に広い視点を持って考えるのがポイントです。
思考力を「T」の文字の形に例えるなら、水平思考は横棒の「-」にあたります。
問題に対して正面から向き合うのではなく、視点を左右に動かして解決方法を探るイメージを持つとわかりやすいですね。
垂直思考(バーティカルシンキング)とは?

一方の垂直思考は、ビジネスパーソンなら大半の人が無意識にやっている思考法です。
与えられた条件や枠の中で最高の答えを見つけようとするのが特徴。
データや統計をもとに考えるので、論理を深めて説得力を出すのに有効です。
いわゆる「ロジカルシンキング」と同じものと考えてもいいでしょう。
論理的に考えるのに役立つ一方で、新しいアイデアを生み出すのには向かない弱点もあります。
T字の縦向きに考えるイメージ
垂直思考を「T」の文字の形に例えるなら、縦棒の「┃」にあたります。
地面に穴を掘り進めるように考えを進め、地中の奥深くにある政界に辿り着こうとするイメージですね。
具体的な手法としては、「なぜ?」という質問を5回繰り返す「なぜなぜ分析」があります。
「なぜ?」「どうして?」と問い続けることによって、本質を追求していきます。
水平思考を鍛えるトレーニング方法

フリーランスや個人起業家としてビジネスで成功を収めたいなら、垂直思考だけではなく、水平思考も身に付けないといけません。
なぜなら、他の人々と同じように垂直思考だけで考えていても革新的なサービスは生まれないし、新たなアイデアが思い浮かぶこともないからです。
では、具体的にどうやって水平思考を鍛えていけばいいのでしょうか?
第三者になって考える
水平思考で一番重要な考え方は、視点を変えてみることです。
横に広い視点で物事を考えてみることによって、新しい発想を生み出します。
ですので、「異性だったらどうするか?」「子どもや高齢者だったらどう考える?」と、あちこちに視点をずらしてみることがポイントです。
ここで視点を変えるときには、人間だけに限る必要はありません。
「犬や猫だったらどう考える?」「鳥や魚ならどう感じる?」と、まったく別の視点から問題を見つめてみると思いもしないアイデアが浮かんできます。
時間軸をずらして考える
視点をずらすという意味では、時間軸をずらしてみることも効果的。
つまり、現在の常識だけで考えるのではなくて、過去や未来のある時点からの視点で物事を考えてみるのです。
今から1時間前、あるいは1時間後の自分を思い浮かべて、視点を変化させてみてください。
想像でも構いませんので、今の時代にない視点を取り入れてみることによって水平思考のトレーニングに役立ちます。
水平思考でアイデアを生み出すためのキーワード6つ

今すぐに水平思考を使って新たなビジネスアイデアを生み出したいときには、手軽に使える水平思考のフレームワークがあります。
そのフレームワークというのは、次の6つのキーワードで考えることを言います。
- 逆転:反対にしてみる
- 代用:代えてみる
- 結合:組み合わせてみる
- 強調:もっと◯◯、にしてみる
- 除去:取り除いてみる
- 並べ替え:並べ替えてみる
「逆転」を使うなら、冬でもおいしく食べられるアイスを開発することが考えられます。
「代用」なら、ラーメンの小麦麺の代わりに、お米でできた麺が使えないか考えてみる。
「結合」なら、照明にスピーカーの機能を組み合わせて商品化する。
「強調」なら、購入後は永久にサポートが続く保証プランを考える。
「除去」なら、ハサミを使わない美容室を考えてみる。
「並べ替え」なら、食事をする前の歯磨きを提案する…などですね。
革新的なサービスは、6つの視点で誕生している
世の中で生み出されている革新的な商品やサービスは、この6つのキーワードのいずれかを使って誕生しているのが大半です。
たとえばスマホだったら、電話とカメラ、音楽プレイヤーなどを「結合」させた商品だと言えますよね?
あなたが新たなアイデアを形にして、新商品を発売していきたいと考えるときにも、きっと役に立つでしょう。
もちろん最初から6つ全部のキーワードを使いこなす必要はないので、2〜3つのキーワードを得意武器にしてみるといいですね。
おわりに
ビジネスで結果を残したいと考えるなら、「水平思考」と「垂直思考」、両方を兼ね備えた思考力を身につけないといけません。
水平思考について書かれた本はたくさん出版されているので、まずは本で知識をつけることから始めるのもいいですね。
新たな商品づくりにもきっと役立つ考え方なので、ぜひマスターしましょう。