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この知識はこんな人にオススメ
「商品を買ってもらえず断られてしまう人」
「もっと売り上げを増やしたい人」
商品は1つだけでいいと思っていませんか?

「なかなか商品を買ってもらえなくて、売り上げが伸びない…」
そんな悩みは、フリーランスや個人起業家としてビジネスを手掛けているなら、一度は感じたことはあるはずです。
商品が売れない原因には、
- コンセプトが明確ではない
- ターゲットが合っていない
- 商品の見せ方が悪い
など、さまざまな原因があります。
もしあなたが商品を1つしか用意していないなら、もしかすると商品の少なさが売り上げ不振の原因になっている可能性もあります。
「買うか、買わないか」の2択だから断られる
商品をたった1つしか用意していなければ、こちらからお客さんに提案できるのは「買いますか?買いませんか?」という選択肢です。
これではお客さんの多くが「買わない」という選択をしても不思議ではありません。
では、次のように提案したとしたらどうでしょうか?
「うちでは初心者向けのAプラン、中級者向けのBプラン、上級者向けのCプランがありますが、どれにしますか?」
これならずっと購入を断られる可能性が低くなるはずです。
なぜなら、「これとこれ、どれを買いますか?」という表現を使うことで、買うことを前提に話を進めることができているからです。
このように複数の商品を用意する方法のうち、ABCと3段階の商品を用意することを「松竹梅の法則」と呼びます。
松竹梅の法則(ゴルディロックス効果)とは?

たとえばお寿司屋さんや懐石料理屋さんで食事をするとき、
- 松:20,000円
- 竹:10,000円
- 梅:8,000円
このような価格設定になっていることがあります。
この3つのコースのうち、もっとも売れやすいのは「竹」のコース。
一説には、「松2:竹5:梅3」の割合で売れるとも言われています。
ちなみに松竹梅の法則は、イギリスの童話をもとに「ゴルディロックス効果」と呼ばれることもあります。
人は「ちょうどいい」を求める
なぜ竹コースが一番売れやすくなるのかといえば、人は極端な選択肢を回避する性質があるからです。
「一番安いものを選んで後悔したくない。けど、一番高いものは手を出しにくい…」という心理が働いて、真ん中の選択肢を選びがちになるのです。
これまでの買い物について振り返ってみると、あなたにも似たような経験があるのではないでしょうか?
なぜ3つの商品を作るべきなのか

商品の数が2つや4つではなく、3つがベストだということにもきちんと理由があります。
実は商品が2つだけだと安い商品ばかり選ばれやすくなってしまい、逆に4つ以上あると「買わない」という選択肢を選ばれる可能性が高くなるのです。
自分が売りたい商品をしっかりと販売し、お客さんに逃げられないようにするためにも、3つの選択肢がベストなんですね。
2つの商品だけだと、安い商品ばかり売れる
たとえば松竹梅のコースを松・竹だけのコースに絞ってみたとします。
この場合、「松3:竹7」の割合で、安いものばかりが選ばれる傾向にあるのです。
よく知らない未知の商品を買うのであれば、失敗しないように安いコースにお金を払おうとするのは当然でしょう。
しかし商品を売る側としては、安い商品ばかりが買われて薄利多売になるのは、望ましいことではありません。
4つの商品だと、決断を先延ばしする
逆に、選択肢を増やして4つの商品を用意したらどうでしょうか?
この場合も、1番目や4番目より、2番目3番目の商品が買われやすい傾向はみられます。
しかしそれ以上に、「買わない」という選択をするお客さんが増えてしまう。
なぜなら、選択肢が多くなると決断するのにエネルギーを使うので、めんどくさく感じて「やっぱりいらない!」となってしまいやすいからです。
食事メニューが30種類も50種類もあるレストランよりも、10種類だけに絞ってあるレストランのほうが、お客さんからは選ばれやすくなるんですね。
具体的にどうやって松竹梅の法則を使ったらいいの?

松竹梅の法則をビジネスに活かしていくなら、まずは一番売りたい商品を真ん中に持ってくるのがポイントです。
その上で、価値をプラスした上位版と、マイナスした下位版を用意。
一番安い商品から順番に決めるのではなくて、真ん中の商品を最初に決めて、それを基準に残り2つの商品を考えていくのが重要です。
3つの商品の価格設定のポイント
3つの商品の価格設定についても押さえておきたいポイントがあります。
仮に一番売りたい竹コースの商品を10,000円とするなら、松コースはその2倍で20,000円、梅コースは80%くらいの8,000円にしましょう。
最高級の松コースから見て、竹コースは半額の値段になります。
さらに、一番安い梅コースにたった2,000円足せば、竹コースにアップグレードできるという心理も働きます。
その結果、「松の半額でお手頃だし、どうせなら2,000円多く払って梅より竹を買おう」と考えてもらいやすくなるのです。
上→下→中の順番で提示するのがコツ

松竹梅の商品をどの順番で見せるかという点にもコツがあります。
やってはいけないのが、一番安い梅コースを最初に紹介してしまうこと。
そうではなく、まずは一番高い松コースを紹介して、次に一番安い梅コース、最後に本命の竹コースを提案するのがポイントです。
最初に高級品を提示することで商品のイメージを膨らませあげる。
「でも、ちょっと高いかな」というお客さんに対して、最安値の商品を提案。
すると「ここまでグレードを落とすのは嫌だ」という心理が働き、最後に紹介する真ん中の商品を即決してもらえるのです。
第一印象に気を付けよう(アンカリング効果)
ここで使っているのは、心理学でいう「アンカリング効果」というテクニックです。
アンカリング効果は、人は最初に見た金額を基準に、その後の商品が高いか安いかを決めるという法則です。
仮に一番安い商品を最初に見せた場合、竹コースは「高い!」松コースは「めっちゃ高い!」という印象につながってしまいます。
しかし一番高い商品を最初に見せることで、竹コースは「安い!」梅コースは「めっちゃ安い!」という印象になります。
『でも、一番安いコースはサポートが手薄なので、正直おすすめしません』と、少しだけお客さんの背中を押してあげることで、本命の竹コースの売り上げ数を大きく増やすことができますよ。
おわりに
「商品は1つだけあればいい」誰でも最初はそう考えます。
でも、本当に売り上げを伸ばしていきたいなら、その商品にプラスして上位版と下位版を用意するべきなのです。
ここで紹介した「松竹梅の法則」をもとに、商品ラインナップについてもう一度見直してみてくださいね。