「音」「温度」「場所」で集中力をコントロールしよう

この知識はこんな人にオススメ

「集中力を高めたい人」

「自宅でも高いパフォーマンスを発揮したい人」

精神論で集中力を高めようとしてませんか?

「どうも集中して仕事ができないな」
「なんとなく注意散漫になってしまう」

そんな経験をしたとき、あなたはどんなふうに対策していますか?

とにかく気合を入れて努力しよう…のように、精神論だけで集中力の低下を防ごうと考えたりしていないでしょうか?

もちろん精神論が100%意味がないと言いたいわけではないのですが、最新の科学的なデータを使えば、精神論よりもっと確実に集中力を高めることができます。

「がんばろう!」だけじゃがんばれない

気合だ!情熱だ!とエネルギーを高めることも、ときには大切です。

もうするクライアントの前でプレゼンをするとなった状況や、新たな商品をローンチする直前などには、とにかく精神論に頼ったほうが即効性が高いという場合もあるでしょう。

しかし、長い目で見て努力して集中力を高めようと考えたとき、精神論ではどうしても行き詰まってしまいます。

短期的にモチベーションを高めるために「がんばるぞ!」「気合入れるぞ!」と叫ぶことに効果があるかもしれませんが、長期的には科学的なデータをもとにして努力していくべきなのです。

集中力を科学的に高めよう

たとえば、「朝食を食べてはいけない!集中力を2倍にする食事テク」という記事で紹介した朝食を抜くというテクニックも、科学的に証明されている集中力アップテクニックの1つです。

私たちは1回の食事でフルマラソンを1回走るのと同じくらいのカロリーを消費します。

食後はフルマラソンを1回走った後くらいの疲労が体に蓄積すると考えれば、食事の回数を減らしてエネルギーを高めるのは、非常に理にかなった方法ですよね?

今回は、食事を通じて集中力を高める以外にも、 「音」「温度」「場所」の3つの要素を使って集中力をコントロールするテクニックについて紹介します。

もちろん、どれも科学的な裏付けのある考え方なので、ぜひ実践してくださいね。

集中力をアップさせるための「音」

集中力を高めようと考えた場合、周囲にムダな雑音がないほうが、目の前の作業に全神経を集中できるように思えるかもしれません。

しかし脳科学的には、まったくの無音というのはむしろ人の恐怖感を煽り、集中力を低下させてしまうリスクがあるのです。

かと言って、テレビやラジオ、YouTube動画などをつけっぱなしにして仕事をするというのも得策ではありません。

科学的に集中力を高める効果があるとされているのは、波の音や雨音、森の中の鳥のさえずりといった、自然音なんだそうです。

無音状態よりも自然音が集中力を高める

自然音が私たちの集中力を高めてくれることは昔からよく知られているため、YouTubeやスマホアプリにも、自然音を流す音源が存在します。

無料で使えるものも多くあるので、これらを試してみてもいいですね。

ただ、YouTubeをつけているとつい関連動画をチェックしてしまうとか、スマホが目の前にあるとついゲームしたくなる人は、CDプレイヤーを用意して流すようにしたほうがいいかもしれません。

他にも、カフェの雑音を再現した音源や、ホワイトノイズと呼ばれる雑音を使うというテクニックもありますね。

こうしたいくつかの音源を試してみて、自分が一番集中できるBGMを探してみましょう。

スマホの通知はオフに。決まった時間に使おう

音と集中力については、必ず見直したい設定があります。

それは、スマホの通知です。

あなたは仕事中にもLINEやTwitterの通知が鳴って、バイブが発生する設定にしていませんか?

もし通知を切っていないなら、せっかく集中しているときに通知にジャマされて、集中力が途切れてしまうことがあります。

これを防ぐために、たとえば午前中だけはスマホの通知が鳴らないように設定して、午前中は集中タイムにするといいですね。

昼の休憩や仕事終わりなどは、通知をオンにしてスマホをチェックする時間に使っても大丈夫です。

集中力をアップさせるための「温度」

次に、温度という観点から集中力を高めるポイントについてお伝えしていきましょう。

ところで、あなたは今室温何度くらいの部屋で作業をしていますか?

もし「温度計がないよ」という場合には、今すぐにAmazonで注文しましょう。

今や100円ショップでも買える温度計は、ベストな集中力を手に入れるために必須のアイテムだからです。

適切な温度で生産性が150%アップ

気温と集中力について調べたいくつかの研究によると、私たちが1つのことに集中するのにベストな気温は、25℃であることがわかっています。

室温が20℃から25℃に上がっただけで、タイピングのミスが44%減少して、タイピングスピードは150%に向上したというデータがあるのです。

また、25℃から26℃に温度が高まってしまうと、集中力が2%低下してしまうということもわかっています。

私たちの体は非常に繊細で、ちょっとした温度変化でも集中力の低下を招いてしまうんですね。

湿度や二酸化炭素濃度のコントロールも大切

温度以外にも、湿度二酸化炭素濃度も集中力に大きく関係しています。

たとえば乾燥しすぎた部屋でパソコン作業をしていると、目が乾いてドライアイになってしまい、作業効率が低下してしまいます。

体のかゆみが気になって、集中できなくなることもあるでしょう。

一方で梅雨の時期のようなジメジメした湿度でも、不快感が増して集中できなくなってしまうのです。

また、窓を閉め切った密閉された空間で人間が活動していると、だんだんと二酸化酸素が濃くなって眠気を感じやすくなります。

これが二酸化炭素濃度が高い状態ですね。

この問題を解決する方法は簡単で、1時間に1度くらい窓を開けて換気をすればOK。

夏場や冬場は難しいかもしれませんが、定期的な換気をして空気の入れ替えをするようにしましょう。

集中力をアップさせるための「場所」

最後は、集中力をアップさせるための場所についてです。

一人暮らしでワンルームのマンションに暮らしている人に多いのですが、「自宅だと集中できないので、カフェや図書館に行きます」というタイプの人っていますよね?

こういうタイプの人に共通するのは、自宅がリラックスする場所になっていること。

仕事をする部屋やスペースが、リラックスを目的としているか、仕事を目的としているかによって、集中力は大きく上下してしまいます。

その部屋の目的は?

たとえば、目の前に大画面のテレビがあって、手を伸ばせばマンガもすぐに読めて、かつテーブルの下にはお菓子とジュースも置いてある…みたいな環境では、誰だって仕事に集中できませんよね?

「ちょっと休憩しよう」とテレビをつけたり、マンガを読みながらお菓子をつまんだりして、完全にリラックスモードに切り替わってしまうはず。

これも、リラックス目的の部屋になっているいい例です。

そうではなく、目の前には仕事用のパソコンやビジネス書しか置いておらず、誘惑の原因になるようなものを排除した場所で作業するべきなんですね。

やる気スイッチを入れるのは条件づけである

ベルを鳴らしてからおやつをあげるというルーティンを繰り返した犬は、ベルを鳴らすだけでよだれを垂らすようになった…。

有名なパブロフの犬というエピソードですね。

私たち人間の脳みそのメカニズムも、基本的にはパブロフの犬と同じです。

つまり、「AをしたらBになる」という条件付けこそが、私たちの行動を変え、集中力を高めてくれるんですね。

もしあなたがやる気スイッチを作りたいと考えるなら、「ここに座ったら必ず仕事をする」という条件付けを、脳みそに覚えさせていくことが重要なのです。

おわりに

今回は「音」「温度」「場所」の3つの要素を使って、集中力を高めるテクニックをお伝えしてきました。

自分が仕事をする環境には常に気を配って、最大のパフォーマンスを発揮できるように心がけていきましょう。