目次
この知識はこんな人にオススメ
「なかなか売り上げが伸びずに悩んでいる人」
「少ない時間で大きな売り上げを手に入れたい人」
なぜ値段が高い商品ほど売れるのか?

ビジネスを始めてすぐの初心者ほど、自分の商品の値段を安くつけてしまいがちという傾向があります。
これまでサラリーマンとして働いた経験しかなく、「自分のスキルに価値があるんだろうか?」「安くしないと買ってもらえないんじゃないか?」と不安になってしまう気持ちはよくわかります。
でも、実は安い商品ほどビジネスでは売れにくくなり、高い商品ほど売れやすくなるのが現実。
自信がないからと安い値段に設定すると、結局売り上げが伸びずにビジネスに失敗してしまう…という可能性が高まってしまうのです。
ワインの価格で、満足度が決まる
心理学の実験で、このようなエピソードがあります。
- これは5ドルのワインです
- こっちは45ドルのワインです
被験者たちにこのように伝えて、どちらのワインがおいしく感じるかを調査してみたんですね。
すると、予想通り45ドルのワインのほうがおいしいと感じて、実際に脳の中枢も活発に反応していたことがわかりました。
この実験のおもしろいところは、実は5ドルと伝えたワインも45ドルと伝えたワインも、どちらも同じワインだったという事実です。
つまり、ワインの味や風味とは関係なく、単に値段が高いというだけで満足度が高まってしまうわけですね。
値段を2倍にしたら売り切れになった宝石店
ほかにもこんな有名なエピソードもあります。
値段の割には質がいいターコイズという宝石を仕入れたので、大きく宣伝してお店で販売したにもかかわらず、まったく売れる気配がない…。
そこで宝石店の店主は、従業員に「この棚の商品は全部2分の1の値段にしておいて!」と伝えたそうなんです。
しかし従業員のミスにより、2分の1ではなく2倍の値段にすり替わってしまったのですが、店主が次に見にきたときにはターコイズが完売。
つまり、割安な価格で売っていたときにはまったく売れず、価格を2倍に跳ね上げたときに飛ぶように売れていったというわけです。
これらの例のように、高い値段のものほど売れやすくなる法則を、心理学では「ヴェブレン効果」と呼びます。
ヴェブレン効果が働く理由

よくよく考えてみると、値段が高いほうが商品が売れやすくなるというのは、非合理的で不思議なことのように思えますよね?
でも、ヴェブレン効果が発動するにはきちんとした理由があることが、心理学の研究で判明しています。
ヴェブレン効果の原因となるのは、次の2つの要素です。
- 承認欲求
- 経験則からくる思い込み
①自己顕示欲によるもの
たとえば、フェラーリやランボルギーニといった高級外車に乗りたいと考える成功者やお金持ちはたくさんいます。
高級な腕時計がほしいと考えたり、高級なタワーマンションに住みたいと考える人も後を絶ちません。
こうした人たちの中では、実は「値段が高ければ高いほどいい!」という考えがあります。
なぜなら、
- 俺は1000万円のマンションに住んでるんだぜ
と自慢するよりも、
- 俺は10億円のマンションに住んでるんだぜ
と自慢したほうが、周りにスゲーと思われるからです。
つまり、自分の承認欲求を満たして、自己顕示欲を満たしたいからこそ、できるだけ高いものを追求しようと考えるんですね。
②値段が高い=いいものに違いないという思い込み
私たちはこれまでの人生の中で、
- 値段が高いものは、質が高いものだ
- 値段が安いものは、質が低いものだ
という経験則を自分の中に持っています。
こうした経験則は、専門用語では「ヒューリスティック」とも呼ばれます。
自分が飲んだワインが高品質なのかそうでないのかを調べるには、これまでに飲んできたワインの風味を思い出したり、口の中でしっかりと味わうという手間が発生します。
こうした手間には膨大なエネルギーが必要になりますから、怠け者の脳みそは「とりあえず価格だけで決めてしまえ!」と考えます。
「これは値段が高いワインだから、きっと高級なワインなんだろう」というように、経験則から勝手に思い込んで判断してしまうのが、ヴェブレン効果の原因なんですね。
ヴェブレン効果をさらに高めるためのコツ

このヴェブレン効果を使うことで、私たちのビジネスでも飛躍的に売り上げを伸ばすことが可能になります。
具体的には、販売する商品の単価を高くすればいいのです。
誰だって1万円のコンサルよりも、100万円のコンサルのほうが「きっとすごいことを教えてくれるに違いない!」と思えますよね?
さらに、別の心理効果を使うことによってヴェブレン効果をさらに高めることも可能です。
バンドワゴン効果を使う
たとえば、前回の記事でも紹介した「バンドワゴン効果」も、ヴェブレン効果と相性がいい心理効果です。
バンドワゴン効果というのは、多くの人が集まっているところに自分も行きたくなる心理のこと。
一人も並んでいないラーメン屋よりも、行列ができているラーメン屋のほうが「おいしいのかもしれない!」と行ってみたくなりますよね?
これをビジネスに応用する方法としては、たとえば「実績者の声」を紹介するというテクニックがあります。
実際に商品を買って成果を出しているお客さんの声を見せることで、「これは人気商品で、質も高いんだ!」と思わせることができます。
緊急性・限定性を伝える
それからもう1つ、緊急性・限定性を伝えるというのも効果的です。
人は現状維持を好む生き物なので、緊急性・限定性がないとなかなか行動しようとは思いません。
コンビニに行けばいつでも変えるスイーツよりも、ケーキ専門店で「1日10個限定!」と売られているスイーツのほうが、食べたい気持ちになりますよね?
たとえば「今だけお試し価格として半額で提供します!」「一対一でじっくり指導するため、この3名までしか受け付けできません」のように、今すぐに買わなければいけない理由を作ってあげるのがポイントです。
売り上げを増やしたいなら、単価をあげよう

私たちフリーランスや個人起業家がビジネスで成果を上げるなら、安い単価のものをたくさん売ろうと考えてはいけません。
薄利多売で儲けることができるのは、体力も人材も豊富な大企業だけ。
単価100円のものを100個売るのではなく、単価1万円のものを1個売るほうが、圧倒的に難易度は低くなるんですね。
単価を低く設定するなら、サブスク形式で
ただ、どうしても単価を安くしたいと考えるなら、サブスク形式を使ってみるという方法もあります。
単価5000円の商品を1回売るよりも、月額500円のオンラインサロンにメンバーを集めたほうが、売り上げは増やしやすいはずです。
サブスク形式なら安定した売り上げにつながりやすくなりますし、オンラインサロンに加入してくれたメンバーの中からビジネスパートナーを探すことも可能。
単価30万円に見合う品質も忘れずに
しかしビジネス初心者がやるのであれば、月額500円のオンラインサロンであってもメンバーはほとんど集まらないでしょう。
オンラインサロンのようなビジネスモデルで稼ぐのは、しっかりとブランディングを行って知名度を高めた後でないといけません。
それまでは、やはり単価30万円50万円と、高価格帯の商品で稼ぐのがポイントになります。
その際には、金額に見合うだけの商品の質を高めることも、忘れないようにしてくださいね。
おわりに
ヴェブレン効果を活用して商品の単価を上げることで、売り上げが大きく増加するケースは多くあります。
すでに割安で商品を売っているなら、何か付加価値を加えてワンランク上の高価格商品を作ってあげると、きっと売り上げアップにつながるはずですよ。